3月11日
まだまだ不明確な報道がなされる中、大地震であっても私にはそんなに家屋の被害が多くはないだろうとの自信がありました。それは私は大学生であった阪神大震災の時、今の国土交通省や業界団体の要請で被災地に乗り込み余震で倒壊家屋がグラグラ揺れる街の中を被害状況や被害傾向を調査しまとめ、そしてそれらを基に実験を重ね現在の耐震基準を定める上での基礎データを恩師の指導の下作り上げてきた自負と思いがあったからです。もちろん阪神大震災以前に建てられていた住宅もまだまだ残っていたとは思いますが、少なくとも神戸よりは被災家屋は少ないだろうと思っていました。
実際地震そのもので倒壊した建物は少なかった様ですが、せっかく地震に耐えた家が、まさか津波にいとも簡単にさらわれていかれるとは、思ってもみませんでした。あの時程人間の無力を感じた事はありません。津波の襲来に耐える家というのは現実的には無理があるとは思いますが、最低限いつくるか分からない地震からは大切な家族を守る事ができる家をこれからも提供していきたいと思います。
元々デザインやインテリア・雑貨等が大好きな私が、設計させて頂く家では、一過性のデザインよりは耐震性や断熱性を優先するのは、上記の様な思いがあるからなのです。